銀座百点
ギャラリームサシは銀座百店会に加盟しています。
2024年「銀座百点4月号 GINZA拝見」より
2021年「銀座百点10月号」より
一つの展覧会のはじまりは、まさに舞台の幕が上がるがごとく。
作家、作品、鑑賞者がおりなす一幕を、最高の晴れ舞台に導くはムサシの本分。
2020年「銀座百点11月号」より
夫の生家は和家具店からギャラリーへ。
妻はマダムとして歩みを支えてきた。
2019年「銀座百点4月号」より
「銀座通り口交差点からもショーウインドーが目に飛び込んでくるので、信号待ちのつもりが、絵につられて足を運んでしまったという方もいらっしゃいます」とは支配人の石田純子さん。
大きなウインドーから自然光が差し込み、外から室内が見渡せる、数ある銀座の画廊の中でも特に開放的な雰囲気、そのため、気軽に多くの鑑賞者が訪れるギャラリームサシは、さまざまな出会いが生まれる″人と人との交差点〟にもなっているとか。 ある日の展覧会では、音信が絶えていた友人同士が偶然再会する舞台になったことも。そんな瞬間に立ち会えることも、ギャラリー冥利(みょうり)であるそうです。
展覧会では画壇で活躍中の作家の作品を中心に紹介しており、企画展と貸し画廊の作品展を合わせて、年間の展覧は約五十件に及びます。
作品の魅力を引き出すための最高の舞台を用意することもギャラリーの腕の見せどころ。二重照明などの工夫を施し、作品たちを晴舞台に導きます。
そんな作品をプライベート空間に取り入れるのもおすすめです。
「アートは家具や器のように、暮らしを豊かにしてくれるもの。たとえば、壁の絵一枚だけで部屋の雰囲気は大きく変わります。テーブルクロスを替える感覚で絵を交換して、日常的にアートに親しんでいただきたいですね」
「通りを眺めていると、時代の変化をじわじわ感じることがあって……そんなとき、六代にわたる先代たちを思います。時代の荒波をくぐりぬけてきた舵取りを、今こそ再び」と、弘化年間創業の和家具商を前身として、当代に継承する者の責任に思い至ることも。
また近年、外国人客の来廊が目立つようになったこともあり、石田さんは、日本文化を紹介する出先機関としての画廊が、最先端で果たす役割もさらに大きくなると考えているそうです。
異文化をいち早く許容する包容力と、伝統によって形成された底力。そうした銀座の姿は、ギャラリームサシにも重なるのではないでしょうか。
2019年「銀座百点2月号」より
と語る支配人の石田純子さん。ムサシの顔とも言うべき、路面のウインドーを語るとき、忘れられないエピソードだとか。撮影にうかがった日も木漏れ日の差し込む店内に小泉元生画伯描く南フランスの風景が並び、現地の風や光まで伝わってくるようでした。
「展示作品の魅力を最大に引き出すこの好立地は、『ムサシ』の店名の由来とともに、一世紀近く銀座で生業ってきた先代たちのおかげ」
とのこと。江戸後期、芝に創業した和家具屋「丸徳武蔵屋」を前身とし、「ムサシ」はその屋号を継いだものです。「丸徳武蔵屋」は明治の初め、現在の京橋にある竹河岸に居を構えましたが、関東大震災後、四代目が現在の場所に移転。終戦後の高度経済成長、初めてのオリンピック開催など、銀座の発展を見届けてきました。そして創業150年の節目に六代目で現代表の石田善計さんが、五代目とともに「ギャラリームサシ」として新生。
「この20年の間、週替わりの展覧会は千回を上回り、それだけ大勢の方とご縁を結んでまいりました」
家庭的な雰囲気が魅力のムサシではオープン以来、定期的に個展をなさる方も少なくありません。
また、展覧会のお手伝いのほかに企画展も開催しています。ムサシ初のフランス人作家を招いたり、千利休の道歌に因む企画展など新しいことにも次々と挑戦されているとのことです。
さらに一方で、より多くの方に気軽に絵を楽しんでいただけるような活動も行っています。石田代表が「初心者のための絵の見方」という会を月に一度を目安に開催。企画展の作家も交じえ、具体的な作品を見ながらの解説も好評です。
来年でギャラリームサシは開業20年目を迎えます。
「これからもムサシでは、絵画をはじめ日本の文化を紹介し、人々が集い来り交るサロンのような空間でありたく、さらに銀座に深く根を下ろし、実を結んでいきたいと、20年を目前にそう思い至る日々です」
2014年「銀座百点8月号」より
一部 訂正、加筆
一部 訂正、加筆
「きょうの銀ブラは一丁目から始めましょう! 銀座通りから一本入ったところに私のお気に入りのギャラリーがあるの」
「ギャラリームサシだろ。あの大きなウインドーのある。いいねえ、行ってみよう!」
「こんにちは。とても素敵な絵ですね」
ありがとうございます。今期は佐久間公憲氏のパステル画です。
「ぜひこの絵を近くで見たいと思ってお邪魔したんです」
「こちらはとても入りやすいギャラリーですね」
うちのコンセプトは「出会い」なので、そう言っていただけるとうれしいです。それこそが芸術の力ですね。
プラスでもマイナスでも、気持ちを動かせるものが芸術だと思います。
「ぼくは絵を見るのは好きなんですけど、専門的なことはわからなくて……」
絵を見る基準は、ご自身の好みでいいんですよ。じぶんにとっての心地よさが大事です。
「そう伺うと気分が楽になりました。こちらはどんな展覧会が多いですか?」
「二紀会」、「独立」などの所属作家や無所属の作家、また応援する若手などさまざまで、具象画が多いです。
余談ですが、当画廊の前身は江戸時代末期創業の和家具店で、150年目の年に画廊に転換し、今年で15周年を迎えます。
「実は友人が、銀座で画廊を探していて……」
貸し画廊としても運営しています。月曜から土曜日の六日間が基本会期ですが、ご要望があればご相談に応じています。
一度は銀座で展覧会を、と思われる方はとても多いですね。うちは、お客様も作家も、リピーターが多いです。
作家の中にはご自身の展覧会でなくとも寄ってくださる方も多く、きょうもいらっしゃってます。
「こんにちは。ここには、東京にくるたびに寄りますよ。ここには集う人々とお話をするたびに芸術の楽しさを味わっています」
「きょうお会いできたのも、ご縁ですね。次回の展覧会、見に行きます!」
芸術の「芸」には、草木を植える、種をまくという意味もあります。
画廊の役割は、心に感動の種をまき、出会いを求める人に場所を開放することだと思います。
銀ブラに最適の季節、ぜひ気軽に、ムサシにお越しください。
2010年「銀座百点5月号」より