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銀座百点

ギャラリームサシは銀座百店会に加盟しています。


 「それは、晩秋の灯ともしごろでしたか、偶然通りがかった紳士が、ムサシのウインドー越しに見かけた深紅のバラの絵を見初め、ただちに購入されたのでした。『家内の誕生日に生のバラを贈るつもりだったんですが……』と照れくさそうな笑顔が印象的でした」
 と語る支配人の石田純子さん。ムサシの顔とも言うべき、路面のウインドーを語るとき、忘れられないエピソードだとか。撮影にうかがった日も木漏れ日の差し込む店内に小泉元生画伯描く南フランスの風景が並び、現地の風や光まで伝わってくるようでした。
「展示作品の魅力を最大に引き出すこの好立地は、『ムサシ』の店名の由来とともに、一世紀近く銀座で生業ってきた先代たちのおかげ」
 とのこと。江戸後期、芝に創業した和家具屋「丸徳武蔵屋」を前身とし、「ムサシ」はその屋号を継いだものです。「丸徳武蔵屋」は明治の初め、現在の京橋にある竹河岸に居を構えましたが、関東大震災後、四代目が現在の場所に移転。終戦後の高度経済成長、初めてのオリンピック開催など、銀座の発展を見届けてきました。そして創業150年の節目に六代目で現代表の石田善計さんが、五代目とともに「ギャラリームサシ」として新生。
「この20年の間、週替わりの展覧会は千回を上回り、それだけ大勢の方とご縁を結んでまいりました」
 家庭的な雰囲気が魅力のムサシではオープン以来、定期的に個展をなさる方も少なくありません。
 また、展覧会のお手伝いのほかに企画展も開催しています。ムサシ初のフランス人作家を招いたり、千利休の道歌に因む企画展など新しいことにも次々と挑戦されているとのことです。
 さらに一方で、より多くの方に気軽に絵を楽しんでいただけるような活動も行っています。石田代表が「初心者のための絵の見方」という会を月に一度を目安に開催。企画展の作家も交じえ、具体的な作品を見ながらの解説も好評です。
 来年でギャラリームサシは開業20年目を迎えます。
「これからもムサシでは、絵画をはじめ日本の文化を紹介し、人々が集い来り交るサロンのような空間でありたく、さらに銀座に深く根を下ろし、実を結んでいきたいと、20年を目前にそう思い至る日々です」

2014年「銀座百点8月号」より
一部 訂正、加筆




 「いい陽気になってきたね」
 「きょうの銀ブラは一丁目から始めましょう! 銀座通りから一本入ったところに私のお気に入りのギャラリーがあるの」
 「ギャラリームサシだろ。あの大きなウインドーのある。いいねえ、行ってみよう!」
 「こんにちは。とても素敵な絵ですね」
 ありがとうございます。今期は佐久間公憲氏のパステル画です。
 「ぜひこの絵を近くで見たいと思ってお邪魔したんです」
 「こちらはとても入りやすいギャラリーですね」
 うちのコンセプトは「出会い」なので、そう言っていただけるとうれしいです。それこそが芸術の力ですね。
 プラスでもマイナスでも、気持ちを動かせるものが芸術だと思います。
 「ぼくは絵を見るのは好きなんですけど、専門的なことはわからなくて……」
 絵を見る基準は、ご自身の好みでいいんですよ。じぶんにとっての心地よさが大事です。
 「そう伺うと気分が楽になりました。こちらはどんな展覧会が多いですか?」
 「二紀会」、「独立」などの所属作家や無所属の作家、また応援する若手などさまざまで、具象画が多いです。
 余談ですが、当画廊の前身は江戸時代末期創業の和家具店で、150年目の年に画廊に転換し、今年で15周年を迎えます。
 「実は友人が、銀座で画廊を探していて……」
 貸し画廊としても運営しています。月曜から土曜日の六日間が基本会期ですが、ご要望があればご相談に応じています。
 一度は銀座で展覧会を、と思われる方はとても多いですね。うちは、お客様も作家も、リピーターが多いです。
 作家の中にはご自身の展覧会でなくとも寄ってくださる方も多く、きょうもいらっしゃってます。
 「こんにちは。ここには、東京にくるたびに寄りますよ。ここには集う人々とお話をするたびに芸術の楽しさを味わっています」
 「きょうお会いできたのも、ご縁ですね。次回の展覧会、見に行きます!」
 芸術の「芸」には、草木を植える、種をまくという意味もあります。
 画廊の役割は、心に感動の種をまき、出会いを求める人に場所を開放することだと思います。
 銀ブラに最適の季節、ぜひ気軽に、ムサシにお越しください。

2010年「銀座百点5月号」より

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